「ナノテクノロジー関連銘柄に投資したいけれど、どの日本企業が本当に恩恵を受けるのかわからない」――そんな悩みを持つ個人投資家は少なくありません。ナノテクノロジーは、1ナノメートル(10億分の1メートル)という原子・分子レベルで物質を加工・制御する技術です。目に見えない世界の技術だからこそ、関連企業の実力や業績への影響が見えにくいテーマでもあります。
しかし2026年現在、ナノテクノロジーはもはや「夢の技術」ではありません。生成AIを支える最先端半導体の微細化、電気自動車やAIデータセンター向けリチウムイオン電池の高性能化、そしてそれらを観察・評価する計測機器まで、日本企業の収益に直結する実需のテーマへと変わっています。
本記事では、日本株の中からナノテクノロジーと事業の関連度が高い10銘柄を厳選し、2026年の最新決算や設備投資ニュースをもとに、それぞれの強み・成長ドライバー・リスクをわかりやすく解説します。
この記事の結論
この記事でわかること
2026年のナノテク関連株は「半導体の微細化」「次世代電池向けカーボンナノチューブ」「ナノを測る計測機器」の3分野に分けて選ぶのが効果的です。
・装置ではEUV検査のレーザーテック、次世代リソグラフィのキヤノンと大日本印刷に注目
・素材は日本ゼオン(単層CNT)とレゾナック(AI向け半導体材料)が業績・設備投資の両面で存在感
・景気変動を和らげたい場合は島津製作所・日本電子・堀場製作所などの計測機器銘柄を組み合わせる
ナノテクノロジーとは?投資テーマとして注目される3つの理由
ナノテクノロジーとは、ナノメートル単位の極微細な領域で物質の構造を設計・加工・測定する技術の総称です。物質はナノサイズになると、強度・導電性・光学特性などが通常サイズとは大きく異なる性質を示すことがあり、この特性を産業に生かすのがナノテクの本質です。代表的な素材には、炭素原子が筒状につながったカーボンナノチューブ(CNT)や、サッカーボール状のフラーレン、植物由来のセルロースナノファイバー(CNF)などがあります。
2026年1月に東京ビッグサイトで開催された「nano tech 2026(第25回国際ナノテクノロジー総合展)」には、国内外から385団体が出展し、3日間で4万5,000人を超える来場者が集まりました。量子・半導体・電池・環境・創薬といった先端分野が幅広く取り上げられ、ナノテクが特定の産業ではなく「あらゆる先端産業の共通基盤」になっていることを印象づけました。投資テーマとして注目される理由は、大きく次の3つです。
理由1:AI半導体の微細化はナノテクそのもの
最先端の半導体は回路線幅が数ナノメートルの世界に突入しています。2nm、1.4nmといった次世代プロセスでは、原子数十個分の精度で膜を積み、削り、検査しなければなりません。生成AIの普及でデータセンター投資が拡大するほど、ナノレベルの加工・検査技術を持つ装置メーカーや材料メーカーに資金が流れ込む構造になっています。
理由2:次世代電池の性能を左右するナノ素材
リチウムイオン電池の電極に微量添加するだけで導電性やサイクル寿命を高められる単層カーボンナノチューブは、EVだけでなくAIサーバーのバックアップ電源、ドローン、空飛ぶクルマ(eVTOL)など新たな用途で需要が急増しています。素材の量産技術で先行する日本企業にとって、大きな成長機会です。
理由3:日本企業が世界シェアを握る「素材・装置・計測」
ナノテクのサプライチェーンでは、完成品よりも「素材」「製造装置」「計測・分析機器」といった上流工程で日本企業が高い競争力を持っています。最終製品の勝ち負けに左右されにくく、どの陣営が勝っても部材や装置が使われる「つるはし銘柄」としての魅力がある点も、投資家にとって見逃せないポイントです。
ナノテクノロジー関連銘柄の選び方|3つのチェックポイント
「ナノ」という言葉を使っている企業は多いものの、売上や利益に占める比率は企業によって大きく異なります。銘柄選びでは次の3点を確認しましょう。
- ナノ関連事業の業績寄与度:テーマ性だけでなく、決算資料で半導体・電子材料など関連セグメントの売上や利益がどれだけ伸びているかを確認します。
- 受注・設備投資の先行指標:装置メーカーは受注高、素材メーカーは増産投資の計画が数年先の業績を示すシグナルになります。
- 技術の独自性と量産化の時期:研究段階の技術は株価材料にはなっても業績への反映は先です。量産開始の時期が明示されているかを見極めましょう。
ワンポイント
ナノテク関連株は半導体市況の影響を強く受けます。装置・素材・計測の3分野に分散することで、市況の波を和らげながらテーマの成長を取り込みやすくなります。
日本株のナノテクノロジー関連銘柄おすすめ10選【一覧表】
今回取り上げる10銘柄を、分野と注目ポイントで整理しました。詳細は次章以降で1社ずつ解説します。
| No | 銘柄 | コード | ナノ分野 | 注目ポイント |
| 1 | レーザーテック | 6920 | EUVマスク検査 | 受注高が前期比2倍超に回復 |
| 2 | キヤノン | 7751 | ナノインプリント | EUVに代わる低消費電力の微細加工 |
| 3 | 大日本印刷 | 7912 | NILテンプレート | 1.4nm世代対応テンプレートを2027年量産へ |
| 4 | 島津製作所 | 7701 | 分析・計測 | 半導体向け真空ポンプ好調、電子顕微鏡メーカーを買収 |
| 5 | 日本電子 | 6951 | 電子顕微鏡 | ナノ観察の要、半導体向け需要拡大 |
| 6 | 堀場製作所 | 6856 | 計測・分析 | 先端材料・半導体分野がけん引し最高益更新へ |
| 7 | レゾナック | 4004 | 半導体材料 | 後工程材料がAI需要で大幅増収 |
| 8 | 日本ゼオン | 4205 | 単層CNT | SWCNT生産能力を数十倍に拡大 |
| 9 | 東レ | 3402 | CNT・炭素繊維 | 塗布型CNT半導体など素材の総合力 |
| 10 | ホソカワミクロン | 6277 | ナノ粒子 | 粉体技術とPLGAナノ粒子DDS |
※各社の公表資料・報道をもとに2026年10月25日時点で作成。
※株価はYahoo!ファイナンスに遷移します
【製造装置】半導体の微細化をけん引するナノ加工銘柄3選
1. レーザーテック(6920)|EUVマスク検査でナノ欠陥を見つける独占的企業
■事業概要
EUV(極端紫外線)露光で使うフォトマスクの欠陥検査装置で、世界的に独占的な地位を築く企業です。数ナノメートルの欠陥でも半導体の歩留まりに大きく影響するため、同社の検査装置は最先端半導体の量産に不可欠な存在です。
■最新業績
2026年8月6日発表の2026年6月期決算は、売上高2,304億円、経常利益1,078億円と減収減益でした。ただし先行指標である受注高は2,375億円と前期比125.7%増に回復しています。2025年6月期の受注落ち込みが時間差で売上に表れた形で、2027年6月期は経常利益1,250億円(15.9%増)と増益に転じる計画です。年間配当も351円へ増配予定です。
注目ポイントとリスク
サービス売上高が前期比36.5%増と伸びており、装置の累積設置台数増加がストック型収益を生んでいる点は安定性の面でプラスです。一方、会社の利益予想は市場コンセンサスを下回っており、顧客の投資タイミング次第で業績が大きく振れやすい点には注意が必要です。意が必要です。
2. キヤノン(7751)|「ハンコ方式」で回路を刻むナノインプリントの先駆者
■事業概要
カメラや事務機で知られるキヤノンは、半導体露光装置メーカーでもあります。ナノテク投資の観点で注目すべきは、ナノインプリントリソグラフィ(NIL)技術を用いた半導体製造装置「FPA-1200NZ2C」です。回路パターンを刻んだマスクをウエハー上の樹脂にハンコのように押し付けて回路を形成する方式で、光を使う従来の露光とは発想が異なります。
■最新トピック
同装置は最小線幅14nmのパターン形成が可能で、5nmプロセス世代に相当します。2024年には米国テキサス州の半導体コンソーシアム「TIE」向けに出荷しました。光源や大規模な光学系が不要なため、消費電力とコストを抑えられる点が最大の特長です。
さらに2026年1月には、NIL技術を応用してウエハー表面の凹凸を5nm以下に抑える平たん化技術「IAP」を発表し、2027年中の製品化を予定しています。
注目ポイントとリスク
EUV露光装置の寡占に対する「もう一つの選択肢」として実用化が進めば、半導体事業の評価が大きく変わる可能性があります。ただし全社売上に占める比率はまだ小さく、事務機やカメラ事業の動向、関税影響など本業の業績が株価を左右しやすい点は理解しておきましょう。
3. 大日本印刷(7912)|印刷技術で1.4nm世代のナノ加工に挑む
■事業概要
印刷大手の大日本印刷(DNP)は、活版印刷で培った微細加工技術を半導体用フォトマスクに応用してきました。現在はEUV用フォトマスクとNIL用テンプレート(原版)を同じ部門で手がけ、ナノ加工のノウハウを相互に生かしています。
■最新トピック
2025年12月、回路線幅10nmのNIL用テンプレートを開発したと発表しました。NAND型フラッシュメモリに加え、1.4nm世代相当の先端ロジック半導体にも対応でき、2027年にも量産を始める予定です。従来のArF液浸やEUV露光と比べて電力消費量を約10分の1に抑えられるとされ、省エネの観点からも注目されています。カーボンナノチューブ製ペリクルを装着したEUVマスクも展示しており、ナノ素材の活用にも積極的です。
注目ポイントとリスク
キヤノンのNIL装置が普及すれば、テンプレートを供給するDNPにも恩恵が及ぶ「セット」の関係にあります。一方で出版・包装など成熟事業の比率も高く、半導体関連の成長がどこまで全社業績を押し上げるかを継続的に確認する必要があります。
【計測・分析】ナノの世界を「見る・測る」計測機器銘柄3選
4. 島津製作所(7701)|ナノ材料の評価から半導体の真空環境まで支える分析機器大手
■事業概要
1875年創業の分析・計測機器の大手です。液体クロマトグラフや質量分析計に加え、ナノスケールの表面形状を観察する走査型プローブ顕微鏡(SPM)や、ナノ粒子の粒子径分布を測る装置など、ナノ材料の研究開発や品質評価に欠かせない機器を幅広く展開しています。産業機器では、半導体製造装置の内部を高真空に保つターボ分子ポンプ(TMP)も主力製品の一つです。
■最新業績
2026年8月6日に発表した2027年3月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比10.3%増の1,306億円、営業利益が17.1%増の143億円となり、第1四半期として過去最高を更新しました。半導体製造装置向けのTMPが日本・欧州・台湾・韓国で伸び、産業機器の売上高は23%増と好調です。会社側は通期予想を上方修正し、売上高6,200億円、営業利益800億円、純利益590億円を見込んでいます。年間配当は70円へ増配予定です。
注目ポイントとリスク
2026年7月にはチェコの電子顕微鏡メーカーTescan(テスカン)を子会社化し、第3四半期から連結する予定です。ナノレベルの観察に不可欠な電子顕微鏡の領域を本格的に取り込むことで、分析機器のラインアップは一段と厚みを増します。
一方、主力の計測機器は中東情勢を背景とした輸送費や部材価格の上昇で減益となっており、純利益も前期比で減益予想です。買収したTescanの統合が順調に進むかどうかも、今後の確認ポイントになります。
5. 日本電子(6951)|ナノレベル観察に欠かせない電子顕微鏡の世界的メーカー
■事業概要
通称JEOL。透過電子顕微鏡(TEM)や走査電子顕微鏡(SEM)、核磁気共鳴装置(NMR)など理科学機器で世界トップレベルの実績を持ちます。半導体デバイスの微細化が進むほど、原子レベルで構造を観察・解析できる電子顕微鏡の重要性は高まり、同社も半導体とライフサイエンスを重点領域に位置づけています。半導体製造に使う電子ビーム描画装置も手がけています。
■最新業績
2026年3月期の連結売上高は1,793億円、営業利益は260億円でした。2026年4月には医用機器事業をシスメックスへ移管し、理科学・計測機器と産業機器に経営資源を集中させています。中間決算は2026年11月13日に発表予定です。
注目ポイントとリスク
大学・研究機関向けが中核のため、半導体装置メーカーに比べると業績の振れ幅が小さいのが特徴です。一方で今期は経常減益予想となっており、研究予算の動向や為替の影響を受けやすい点には注意が必要です。
6. 堀場製作所(6856)|半導体の「ナノ品質」を守る計測・制御機器
■事業概要
エンジン排ガス計測で知られる分析機器大手ですが、現在の稼ぎ頭は「先端材料・半導体」分野です。半導体製造プロセスでガス流量を精密に制御するマスフローコントローラーや、ナノ粒子径の測定装置など、ナノレベルの品質管理に欠かせない製品を幅広く展開しています。
■最新業績
2026年12月期は先端半導体向けの需要拡大を受けて業績予想を2度上方修正し、売上高3,820億円、営業利益700億円、純利益500億円と過去最高を見込んでいます。年間配当予想は、特別配当と時価総額1兆円記念配当を含めて790円と大幅に増やしています。
注目ポイントとリスク
半導体、自動車計測、医用の3本柱を持つことで、一つの市場が落ち込んでも全体で支えやすい事業構造が強みです。ただし記念・特別配当は一時的なものであり、翌期以降の配当水準が下がる可能性がある点は留意しましょう。
【ナノ素材】次世代電池・AI半導体を支える素材銘柄4選
7. レゾナック・ホールディングス(4004)|AI半導体の後工程材料で急成長
■事業概要
旧昭和電工と旧日立化成が統合して誕生した化学メーカーで、半導体の研磨に使うCMPスラリー(ナノ粒子を分散させた研磨剤)や、パッケージ基板材料などナノレベルの品質が求められる半導体材料を幅広く持ちます。旧昭和電工時代からカーボンナノチューブの量産にも取り組んできた歴史があります。
■最新業績
2026年12月期中間決算は、売上高6,768億円、コア営業利益887億円(前年同期比156.5%増)と大幅増益でした。特にAI向け先端パッケージングを中心とする半導体後工程材料が46%増収と好調です。通期の営業利益予想は1,960億円、純利益予想は1,125億円へ上方修正しました。石油化学事業は2026年10月1日付でパーシャルスピンオフしており、半導体材料企業としての色彩が一段と強まっています。
注目ポイントとリスク
AI半導体の高性能化に伴い、後工程材料への要求は高まる一方です。半導体・電子材料の売上比率を50%以上に高める方針を掲げており、事業ポートフォリオの転換が進めば評価の見直しが期待されます。中東情勢による原材料調達リスクには引き続き注意が必要です。
8. 日本ゼオン(4205)|単層カーボンナノチューブの量産で世界をリード
■事業概要
合成ゴムや光学フィルムで知られる化学メーカーで、産業技術総合研究所が発見した「スーパーグロース法」による単層カーボンナノチューブ(SWCNT)を「ZEONANO」のブランドで量産しています。ナノテク関連銘柄の中でも、ナノ素材そのものを事業として育てている代表格です。
■最新トピック
2026年4月に徳山工場(山口県周南市)でのSWCNT増産を決定し、8月25日には新プラントの建設に着手しました。2028年中の本格稼働を目指し、生産能力は現行比で数十倍に拡大する見込みです。この計画は経済産業省の「蓄電池に係る供給確保計画」に認定されており、国策の後押しも受けています。2025年には台湾のSWCNT導電ペーストメーカーへの出資にも合意し、川下の需要開拓も進めています。
注目ポイントとリスク
リチウムイオン電池の導電助剤としてSWCNTの採用が広がれば、2028年以降の新たな収益柱になる可能性があります。ただし本格稼働までは時間があり、EV市場の成長ペースや中国メーカーとの価格競争が収益化のスピードを左右します。
9. 東レ(3402)|炭素繊維からCNT半導体まで、素材の総合力
■事業概要
炭素繊維で世界トップクラスの素材メーカーで、ナノレベルで繊維構造を制御する技術を強みとします。ナノファイバーや高機能フィルムなど、ナノテクを応用した素材を幅広い分野に展開しています。
■注目トピック
東レは単層カーボンナノチューブと半導体ポリマーの複合体を用い、フィルム上に半導体回路を塗布形成する技術を確立しています。塗布型の薄膜トランジスタとしては世界最高レベルの電子移動度を実現しており、低コストなRFIDタグなどへの応用が期待されています。シリコン半導体に比べて製造工程がシンプルなため、物流や医療現場での活用が進めば新市場の創出につながります。
注目ポイントとリスク
航空機・風力発電向け炭素繊維の需要回復に加え、ナノ素材の新用途が育てば中長期の成長余地があります。一方で繊維や樹脂など市況に左右される事業も大きく、ナノテク単体の業績寄与はまだ限定的である点を理解したうえで投資を検討しましょう。
10. ホソカワミクロン(6277)|粉体技術とナノ粒子で医療・美容にも展開
■事業概要
1916年創業の粉体機器のリーディングカンパニーで、粉砕・分級・混合に加えナノ粒子合成の装置も手がけます。1980年代からナノテクに着目し、生体内で分解される「PLGAナノ粒子」を使ったDDS(ドラッグデリバリーシステム)技術を確立。医薬品の受託研究や、ナノ粒子を配合した化粧品・育毛剤の製造まで展開しています。
■最新業績
2026年9月期の会社予想は売上高785億円、営業利益70億円と横ばい圏ながら、純利益は増益、年間配当は140円へ増配の計画です。粉体機器は電池材料や医薬品、食品など幅広い業界で使われており、電池正極材の微粒子化などでもナノ技術の需要を取り込んでいます。
注目ポイントとリスク
大型株が中心となるナノテク関連の中で、中型株として独自性のあるナノ粒子技術を持つ点が魅力です。欧州売上比率が高いため、欧州景気や為替の影響を受けやすい点には注意しましょう。
ナノテクノロジー関連銘柄に投資する際の注意点
ナノテク関連株は成長期待が大きい一方で、特有のリスクもあります。投資前に以下の点を押さえておきましょう。
- 半導体市況への依存:今回の10銘柄の多くは半導体投資の動向に業績が連動します。メモリ価格の下落や顧客の投資延期が起きると、受注や業績予想が大きく下方修正されることがあります。
- 地政学・輸出規制リスク:中国向け売上比率が高い装置メーカーは、米国や日本の輸出規制強化の影響を受ける可能性があります。
- 量産化までのタイムラグ:ナノインプリントやSWCNTの新プラントなど、本格的な業績寄与は2027〜2028年以降となるテーマも多く、短期的な株価変動に一喜一憂しない姿勢が求められます。
- バリュエーションの過熱:AI関連の期待から株価が先行して上昇している銘柄もあります。PERや配当利回りなど基本的な指標で割高感を確認しましょう。
注意:決算発表や設備投資ニュースの直後は株価が大きく動きやすくなります。一度にまとめて買うのではなく、時期を分けて購入する「時間分散」を取り入れると、高値づかみのリスクを抑えやすくなります。
投資スタイル別|ナノテク関連株の組み合わせ方
同じナノテクノロジー関連でも、銘柄によって値動きの大きさや成長の時間軸は異なります。投資スタイルに合わせた組み合わせ例を紹介します。
- 成長重視型:レーザーテック、レゾナック、堀場製作所などAI半導体の恩恵を直接受ける銘柄を中心に据え、業績の伸びを狙います。値動きは大きくなりやすい点に留意が必要です。
- バランス型:装置1〜2銘柄に、島津製作所や日本電子などの計測機器、日本ゼオンなどの素材銘柄を組み合わせ、分野を分散させます。
- 長期テーマ型:キヤノン、大日本印刷、日本ゼオン、東レなど、2027年以降に量産化や新プラント稼働が控える銘柄を中心に、時間をかけて育つテーマを取り込みます。
ナノテクノロジー関連銘柄に関するよくある質問(FAQ)
Q1. ナノテクノロジー関連銘柄とはどのような企業ですか?
A. ナノメートル単位で物質を加工・制御・測定する技術を事業に活用している企業です。日本株では、半導体製造装置(レーザーテック、キヤノンなど)、ナノ素材(日本ゼオン、東レなど)、計測・分析機器(島津製作所、日本電子、堀場製作所など)の3分野が中心になります。
Q2. 初心者におすすめのナノテク関連銘柄はどれですか?
A. 事業基盤が安定した大型株から検討するのが一般的です。分析機器・医用機器・産業機器など複数の事業を持つ島津製作所や堀場製作所など、業績の振れ幅が比較的小さい銘柄は候補になりやすいでしょう。最終的な判断はご自身のリスク許容度に合わせて行ってください。
Q3. カーボンナノチューブ関連の日本株はありますか?
A. あります。単層カーボンナノチューブを「ZEONANO」として量産する日本ゼオンが代表的で、2028年に向けて生産能力を数十倍に拡大する計画です。そのほか、CNTを使った塗布型半導体技術を持つ東レや、旧昭和電工時代からCNTの量産に取り組んできたレゾナックも関連銘柄として挙げられます。
Q4. ナノインプリント関連銘柄の注目点は何ですか?
A. キヤノンの装置と大日本印刷のテンプレートが中心です。EUV露光に比べて消費電力やコストを抑えられる点が最大の特長で、大日本印刷は1.4nm世代対応のテンプレートを2027年にも量産する予定です。量産での採用がどこまで広がるかが今後の焦点です。
Q5. ナノテク関連株は少額から投資できますか?
A. 日本株は通常100株単位での売買のため、値がさ株では数十万〜数百万円の資金が必要になります。証券会社の単元未満株(ミニ株)サービスを使えば1株から購入できる場合もあり、新NISAの成長投資枠を活用することも可能です。
まとめ|ナノテクノロジー関連銘柄は「分野分散」で中長期に向き合う
ナノテクノロジーは、AI半導体の微細化と次世代電池という2つの巨大な成長市場を支える基盤技術です。2026年は島津製作所や堀場製作所、レゾナックがAI需要を背景に業績予想を上方修正し、日本ゼオンはカーボンナノチューブの大型増産に踏み出すなど、ナノテクが日本企業の業績に具体的な数字として表れ始めた年といえます。
一方で、関連銘柄の多くは半導体市況に左右されやすく、新技術の量産化には時間もかかります。製造装置・計測機器・ナノ素材の3分野にバランスよく分散し、受注高や設備投資計画といった先行指標を決算ごとに確認しながら、中長期の視点で付き合っていくことが成功への近道です。本記事を、2027年に向けたあなたのポートフォリオづくりの第一歩としてお役立てください。
免責事項:本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載の業績・予想値は各社の公表資料および報道(2026年10月25日時点で確認できたもの)に基づきますが、正確性・完全性を保証するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。



















