【2027年】米国株おすすめ10社|ステーブルコイン・トークン化の金融インフラ株

【2027年】米国株おすすめ10社|ステーブルコイン・トークン化の金融インフラ株

2027年1月18日には米国のステーブルコイン規制法(GENIUS法)が施行される予定です。株式や国債をブロックチェーン上で扱う「トークン化」や、平日ほぼ24時間の株式取引も、2026年後半から相次いで動き出しています。決済網、取引所、資産運用会社、暗号資産プラットフォームという金融の「配管」を担う企業が、制度変更の恩恵を直接受ける局面に入りつつあります。

目次

結論:2027年の米国株トレンドは「金融インフラ×デジタル資産」

先に結論をまとめます。本記事で紹介する10社は、次の3つの層に分けられます。

2027年に注目したい金融インフラ米国株10社(要約)
コア層(決済網・取引所):ビザ(V)、マスターカード(MA)、CMEグループ(CME)、インターコンチネンタル取引所(ICE)、ナスダック(NDAQ)
成長層(運用・証券プラットフォーム):ブラックロック(BLK)、インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)、ロビンフッド・マーケッツ(HOOD)
高ボラティリティ層(暗号資産ネイティブ):コインベース・グローバル(COIN)、サークル・インターネット・グループ(CRCL)
共通するのは「ステーブルコイン決済」「資産のトークン化」「24時間取引」のどれか、または複数を自社の収益に結びつけようとしている点です。安定した手数料収入をもつコア層を土台にし、値動きの大きい暗号資産関連は少額にとどめる、という組み合わせ方がポイントです。

2027年のトレンド背景:なぜ今「金融インフラ」なのか

GENIUS法の施行でステーブルコインが「制度の中」へ

ステーブルコインとは、米ドルなどの法定通貨と価値が連動するよう設計されたデジタル通貨です。2025年に成立したGENIUS法により、米国では発行体に準備資産の保有や償還義務などのルールが課されることになりました。同法は2027年1月18日に施行される予定で、米通貨監督庁(OCC)は2026年10月21日に、準備資産・償還・資本・カストディなどに関する最終規則を公表しています(マネーロンダリング対策の規則は財務省側で別途手続き中)。

市場規模も拡大しています。DefiLlamaによると、ステーブルコインの時価総額は2026年10月24日時点で約3,005億ドル、そのうちUSDT(テザー)が約61%、USDC(サークル発行)が約24%を占めます。ルールが明確になれば、銀行や大手企業が安心して使える決済手段となり、カード網や取引所の決済にも組み込みやすくなります。

株式・国債の「トークン化」が実用段階へ

トークン化とは、株式や国債、投資信託などの権利をブロックチェーン上のトークンとして表現する仕組みです。決済の高速化や24時間の移転、担保としての活用が期待されています。2026年には次のような制度面の前進がありました。

  • 2026年3月:SECがナスダックのトークン化株式の取引ルールを承認(DTCのパイロットを通じて決済)
  • 2026年9月17日:SECが、トークン化証券の取引の場に対する5年間の条件付き「イノベーション免除」を公表
  • 2026年10月:DTCC(米証券保管振替機関)がトークン化サービスの本番稼働を予定(25銘柄規模からスタート)

rwa.xyzの集計では、ブロックチェーン上で流通するトークン化資産(ステーブルコインを除く)は2026年10月24日時点で約390億ドル。シティは2030年にトークン化証券が約5.5兆ドル規模になり得るとの見通しを示しています(2026年6月)。まだ金融市場全体から見れば小さいものの、伸びしろの大きい分野です。

3. 「平日23時間取引」と24時間化の流れ

ナスダックとNYSEアーカは、2026年12月6日から平日ほぼ23時間の取引開始を目指しています。CMEは2026年5月29日に暗号資産先物・オプションの24時間365日取引を始めました。SECのアトキンス委員長も2026年9月の円卓会議で24時間取引を支持する姿勢を示しています。取引時間が延びれば、取引所の売買高やデータ収入、ネット証券の取引機会が増える可能性があります。

4. 金利環境:利下げではなく「高めの金利が続く」前提

2027年を考えるうえで見落とせないのが金利です。FRB(米連邦準備制度理事会)は2026年9月16日に0.25%の利上げを決め、政策金利の誘導目標は3.75〜4.00%になりました。9月時点の参加者見通し(ドットチャート)の中央値は、2026年末・2027年末とも4.00〜4.25%です。

金利が高い状態は、顧客資金の金利収入が大きいインタラクティブ・ブローカーズや、準備資産の運用益が収益の柱であるサークルにとって追い風です。一方で、株式全体のバリュエーション(割高・割安の度合い)には逆風になり得ます。金利の方向性によって恩恵を受ける銘柄が入れ替わることを意識しておきましょう。

ポイント:3つの追い風と1つの注意点
①GENIUS法の施行(2027年1月)
②トークン化の制度整備
③取引時間の拡大注意点:市場構造法案(CLARITY法案)は2026年9月15日の上院採決で前進せず、暗号資産全体のルール整備には不透明感が残ります。

選定基準:10社をどう選んだか

今回の10社は、以下の3つの基準で選びました。

  1. NYSE・NASDAQ上場の米国個別株であること(ADRやOTC銘柄は除外)
  2. ステーブルコイン・トークン化・24時間取引のいずれかで、具体的な取り組みを発表済みであること(構想だけの企業は除外)
  3. 直近の決算で本業の収益力を確認できること(赤字企業は理由とリスクを明記)

さらに、リスク分散の観点から、時価総額5,000億ドルを超える超大型株から、値動きの大きい暗号資産関連株まで、性格の異なる銘柄を組み合わせています。

2027年注目の米国株10社 一覧表

No社名(ティッカー)市場層事業概要注目理由
1ビザ(V)NYSEコア世界最大級のカード決済ネットワークステーブルコイン決済が年換算200億ドル超に
2マスターカード(MA)NYSEコアカード決済網・付加価値サービスBVNK買収、オンチェーン決済に対応
3CMEグループ(CME)NASDAQコア世界最大級のデリバティブ取引所暗号資産先物の24時間化、トークン化キャッシュ
4インターコンチネンタル取引所(ICE)NYSEコアNYSE運営、先物、債券データトークン化証券基盤、ポリマーケット出資
5ナスダック(NDAQ)NASDAQコア株式取引所、指数、金融テクノロジートークン化株式承認、23時間取引開始へ
6ブラックロック(BLK)NYSE成長世界最大の資産運用会社BUIDL・IBITなどデジタル資産商品
7インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)NASDAQ成長グローバルなネット証券USDC入金、高金利で金利収入増
8ロビンフッド(HOOD)NASDAQ成長個人向け投資アプリ株式トークン、予測市場、自社チェーン
9コインベース(COIN)NASDAQ高ボラ米国最大の暗号資産交換業者USDC収益、Base、株式トークン
10サークル(CRCL)NYSE高ボラステーブルコインUSDCの発行体GENIUS法の直接的受益者、Arc本稼働

各社の詳細解説:事業・成長ドライバー・業績・リスク

ここからは10社を1社ずつ解説します。株価や業績の数値は、それぞれの基準日時点のものです。10月下旬から11月上旬に決算発表を控える企業も多いため、最新の決算資料もあわせて確認してください。

※株価はYahoo!ファイナンスに遷移します

1. ビザ(V)|ステーブルコインを「脅威」から「収益源」へ

【事業内容】200以上の国と地域で使われるカード決済ネットワークを運営しています。カード会社や銀行に決済網を提供し、取扱高や取引件数に応じた手数料を得るビジネスです。

【成長ドライバー】2025年12月に米国でUSDCによる決済(セトルメント)を開始し、2026年9月にはステーブルコイン決済の年換算額が200億ドルを突破(前年比15倍超)しました。ステーブルコインと連動したカードプログラムも160以上稼働しています。「ステーブルコインがカード網を中抜きする」という懸念を、自社の決済網に取り込むことで逆に成長機会に変えようとしている点が注目です。

【直近業績】2026年度第3四半期(4〜6月)の純収益は116億ドル(前年同期比14%増)、調整後EPSは3.32ドル(同11%増)。越境取引の取扱高は13%増でした。株価は402.96ドル、時価総額は約7,190億ドル、配当利回りは約0.7%です(2026年10月20日時点)。第4四半期決算は10月27日発表予定です。

【リスク】米司法省によるデビットカード事業をめぐる独占禁止法訴訟、加盟店手数料を巡る和解の行方、ステーブルコイン普及による手数料率の低下圧力などが挙げられます。

2. マスターカード(MA)|買収でステーブルコイン決済の土台を確保

【事業内容】ビザと並ぶ世界的なカード決済ネットワークです。不正検知やデータ分析などの「付加価値サービス」の比率が高まっている点が特徴です。

【成長ドライバー】2026年3月に、ステーブルコイン決済インフラを手がけるBVNKを最大18億ドルで買収することで合意しました。6月には、USDCやPYUSDなど複数のステーブルコインと、イーサリアムやソラナなど複数のブロックチェーンでのオンチェーン決済に対応しています。週末・祝日の決済にも対応を広げており、「24時間動くお金」に合わせた体制づくりを進めています。

【直近業績】2026年第2四半期の純収益は93億ドル(前年同期比14%増)、調整後EPSは5.04ドル(同21%増)。付加価値サービスの収益は20%増と好調でした。株価は632.46ドル、時価総額は約5,540億ドル、配当利回りは約0.6%です(2026年10月23日時点)。第3四半期決算は10月29日発表予定です。

【リスク】ビザと同様に手数料規制や訴訟の影響を受けます。買収した事業の統合がうまく進むかどうかもポイントです。

3. CMEグループ(CME)|金利と暗号資産、両方の「ボラティリティ」を収益に

【事業内容】金利・株価指数・商品・為替・暗号資産の先物やオプションを扱う、世界最大級のデリバティブ取引所です。

【成長ドライバー】2026年5月29日に暗号資産先物・オプションの24時間365日取引を開始しました。グーグル・クラウドと共同で「トークン化キャッシュ」の構想を進め、ステーブルコインやトークン化MMFを担保として受け入れる検討も公表しています。金利の先行きが読みにくい局面では、金利先物の取引が増えやすい点も強みです。

【直近業績】2026年第3四半期の売上高は17.37億ドル(前年同期比約13%増)と第3四半期として過去最高、調整後EPSは3.02ドル。1日平均取引高は2,940万枚(約16%増)でした。株価は約304.74ドル、時価総額は約1,095億ドル、配当利回りは約1.7%です(2026年10月23日時点)。

【リスク】市場が落ち着くと取引高が減る傾向があります。予測市場や暗号資産取引所など、新しい競合の台頭にも注意が必要です。

4. インターコンチネンタル取引所(ICE)|NYSEのトークン化と予測市場

【事業内容】ニューヨーク証券取引所(NYSE)の親会社です。原油(ブレント)などの先物取引、債券データ、住宅ローン関連のテクノロジー事業も手がけています。

【成長ドライバー】2026年1月、NYSEがトークン化証券の取引プラットフォームの開発を発表しました。24時間取引、ステーブルコインでの資金決済、ほぼ即時の受け渡しを目指しています(規制当局の承認が前提)。予測市場のポリマーケットにも出資し、そのデータを使った新しい情報サービスも始めています。

【直近業績】2026年第2四半期の純収益は26.7億ドル(前年同期比5%増)、調整後EPSは1.90ドル。第3四半期は1日平均取引高が前年同期比31%増と好調でした。株価は約161ドル、時価総額は約905億ドルです(2026年10月中旬時点)。第3四半期決算は10月29日発表予定です。

【リスク】トークン化基盤は承認待ちで、開始時期は確定していません。予測市場への規制の行方や、住宅ローン事業の金利感応度もリスクです。

5. ナスダック(NDAQ)|取引所から「金融テクノロジー企業」へ

【事業内容】ナスダック市場の運営に加え、ナスダック100などの指数ビジネスや、金融機関向けの不正対策・リスク管理ソフトウェアを展開しています。

【成長ドライバー】2026年3月にトークン化株式の取引ルールがSECに承認されました。2026年12月6日から平日23時間取引を始める予定で、第3四半期にはデジタル資産を扱う新部門も立ち上げています。指数連動商品への資金流入が増えるほど、指数ライセンス収入が伸びる構造も魅力です。

【直近業績】2026年第3四半期の純収益は14.81億ドル(前年同期比13%増)、非GAAPのEPSは1.04ドル(同18%増)。指数事業の収益は39%増と大きく伸びました。株価は約102.58ドル、時価総額は約577億ドル、配当利回りは約1.2%です(2026年10月下旬時点)。

【リスク】取引所事業そのものの成長は緩やかです。トークン化や24時間取引をめぐって他の取引所との競争が激しくなる可能性があります。

6. ブラックロック(BLK)|運用資産15兆ドル超の巨人がトークン化を主導

【事業内容】ETFブランド「iシェアーズ」を持つ世界最大の資産運用会社です。運用システム「アラジン」などのテクノロジーサービスも提供しています。

【成長ドライバー】ビットコイン現物ETF(IBIT)や、トークン化された米国債ファンド「BUIDL」など、デジタル資産商品の先駆者です。トークン化を手がけるセキュリタイズやサークルにも出資しています。2026年第3四半期末のデジタル資産の運用残高は796億ドルでした。

【直近業績】2026年第3四半期の売上高は77.52億ドル(前年同期比19%増)、調整後EPSは15.93ドル(同38%増)。運用資産残高は15.49兆ドル、四半期の純資金流入は2,055億ドルでした。株価は約1,118ドル、時価総額は約1,848億ドル、予想配当利回りは約2.0%です(2026年10月中旬時点)。

【リスク】手数料収入が市場全体の株価水準に左右されます。暗号資産価格の下落局面ではデジタル資産の運用残高も減少します(第3四半期末は前年同期比で約23%減)。

7. インタラクティブ・ブローカーズ(IBKR)|高金利の恩恵を受ける効率経営のネット証券

【事業内容】世界160以上の市場にアクセスできるグローバルなネット証券です。自動化を徹底した低コスト運営で、税引前利益率は約78%と非常に高い水準です。

【成長ドライバー】2026年1月からUSDCによる24時間の口座入金に対応し、暗号資産取引や予測市場(ForecastEx)も提供しています。顧客資産や信用取引の残高が増えるほど金利収入が増えるため、「高めの金利が続く」2027年の前提と相性が良い銘柄です。

【直近業績】2026年第3四半期の純収益は19.1億ドル(前年同期比16%増)、調整後EPSは0.67ドル。口座数は558万(35%増)、顧客資産は9,647億ドル(27%増)でした。四半期配当を0.15ドルへ71%増配しています。株価は約82.67ドルです(2026年10月中旬時点)。

【リスク】利下げ局面では金利収入が減ります。第3四半期の1日平均取引件数は前四半期比11%減で、売買の勢いがやや鈍っている点も確認しておきたいところです。

8. ロビンフッド・マーケッツ(HOOD)|個人投資家の「総合金融アプリ」へ

【事業内容】若い世代を中心に人気の投資アプリです。株式、オプション、暗号資産、予測市場(イベント契約)など、幅広い商品を提供しています。

【成長ドライバー】自社ブロックチェーン「ロビンフッド・チェーン」のメインネットを公開し、120以上の国で株式トークンを提供しています。予測市場の取引件数は急増しており、2026年8月のイベント契約は47億件(前年同月比約15倍)に達しました。

【直近業績】2026年第2四半期の売上高は過去最高の13.1億ドル(前年同期比32%増)、純利益は5.73億ドル。資金を入れている顧客数は2,840万人でした。株価は約95〜97ドル、時価総額は約868億ドルです(2026年10月22〜23日時点)。第3四半期決算は10月27日発表予定です。

【リスク】予測市場やオプション取引への規制強化、暗号資産関連収入の減少(第2四半期は前年同期比38%減)、個人投資家の売買意欲の変化に業績が左右されます。

9. コインベース・グローバル(COIN)|「何でも取引所」を目指す暗号資産の大手

【事業内容】米国最大の暗号資産交換業者です。取引手数料に加え、USDC関連の収益やカストディ(保管)などのサブスクリプション収入を持っています。

【成長ドライバー】サークルとの提携によりUSDCの収益の一部を受け取っており、2026年第2四半期のステーブルコイン収益は2.92億ドル。自社のブロックチェーン「Base」上では米国外向けに株式トークンの提供を始め、株式・ETF取引や予測市場にも参入しました。「暗号資産だけの会社」から総合的な取引プラットフォームへの転換を進めています。

【直近業績】2026年第2四半期の売上高は12.2億ドル(前年同期比19%減)、純損益は3.6億ドルの赤字でした。一方、調整後EBITDAは2.08億ドルの黒字を確保しています。株価は168.45ドルで、年初来では約25%安です(2026年10月19日時点)。第3四半期決算は10月29日発表予定です。

【リスク】暗号資産の価格や取引高によって業績が大きく変動します。CLARITY法案が停滞しているため、ステーブルコインの利回り付与に関するルールが固まっていない点も不確実性です。

10. サークル・インターネット・グループ(CRCL)|GENIUS法の「ど真ん中」にいる発行体

【事業内容】時価総額で世界2位のステーブルコイン「USDC」の発行体です。USDCの裏付けとなる準備資産(主に短期国債など)の運用益が収益の大半を占めます。

【成長ドライバー】GENIUS法の施行により、規制に準拠した発行体としての地位が強まる可能性があります。2026年9月16日には自社ブロックチェーン「Arc」のメインネットを立ち上げ、ブラックロック、ビザ、マスターカード、ICE、DTCCなどが検証者(バリデーター)として参加しています。OCCから全米信託銀行の最終承認も得ました。

【直近業績】2026年第2四半期の総収益は7.01億ドル(前年同期比7%増)、純利益は4,800万ドル。USDCの流通量は733億ドル(19%増)でした。株価は86.62ドルです(2026年10月22日時点)。第3四半期決算は11月4日発表予定とされています。

【リスク】収益が金利水準とUSDCの流通量に強く依存します。利下げ局面では準備資産の運用益が減ります。また、コインベースなどの販売パートナーへの支払いが収益の約6割を占めるため、利益率は高くありません。株価の変動も非常に大きい銘柄です。

リスク分散の考え方:3層で組み合わせる

10社は同じテーマでも、値動きの性格がまったく異なります。ひとつの考え方として、次のような配分イメージがあります(特定の配分を推奨するものではありません)。

層該当銘柄性格配分イメージ
コア層V / MA / CME / ICE / NDAQ手数料収入が安定。配当・自社株買いあり全体の5〜6割
成長層BLK / IBKR / HOOD市場拡大に連動して成長。景気・相場の影響あり全体の3割前後
高ボラ層COIN / CRCL規制・暗号資産価格で大きく変動全体の1割以下

また、金利の方向性によって有利な銘柄が入れ替わる点も分散に役立ちます。金利が高止まりすればIBKRやCRCLの金利収入が下支えとなり、金利が下がれば株式市場全体の上昇を通じてBLKやHOODが恩恵を受けやすくなります。ボラティリティが高まればCMEやICEの取引高が増える、という関係もあります。

米国株の買い方:日本の証券会社と新NISAでの扱い

日本の証券会社で購入する手順

今回の10社はいずれも米国の主要市場に上場しているため、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、三菱UFJ eスマート証券など、米国株を扱う主なネット証券で購入できる可能性が高い銘柄です。ただし、比較的新しく上場した銘柄(サークルなど)は取扱いの有無が証券会社によって異なることがあるため、事前に各社の取扱銘柄一覧で確認してください。

  1. 口座開設:証券総合口座と、外国株式取引口座を開設する
  2. 入金・為替:円のまま買う「円貨決済」か、ドルに替えて買う「外貨決済」かを選ぶ
  3. 注文:ティッカー(例:V、CME)で検索し、1株単位で注文する。米国株は1株から購入可能

新NISA成長投資枠での扱い

米国の個別株は、新NISAの成長投資枠(年間240万円、生涯の非課税保有限度額1,800万円のうち成長投資枠は1,200万円まで)で購入できます。値上がり益と配当が日本国内では非課税になります。

ただし、米国株の配当には米国で10%の税金が差し引かれ、NISA口座ではこの分を外国税額控除で取り戻せません。今回の10社は配当利回りが0〜2%程度と低めで、値上がり益を狙う性格が強いため、この点の影響は比較的小さいと考えられます。なお、2027年1月からは18歳未満向けの「こどもNISA」が始まりますが、つみたて投資枠の対象商品に限られ、米国個別株は対象外です。

為替リスクも忘れずに

米国株を円で評価すると、株価の変動に加えてドル円の変動の影響も受けます。2026年10月23日のニューヨーク市場では1ドル=156〜157円台で推移しました。円高が進むと、株価が変わらなくても円ベースの評価額は下がります。購入時期を数回に分ける「時間分散」は、為替リスクを抑える方法のひとつです。

ポイント:NISAで米国株を買う前のチェックリスト
□ 証券会社でその銘柄が取扱い対象か確認したか
□ 成長投資枠の残りの枠を確認したか
□ 円貨決済・外貨決済のどちらにするか決めたか(為替手数料も確認)
□ 決算発表日を確認したか(決算直後は株価が大きく動きやすい)

投資する前に知っておきたいリスクと注意点

規制リスク:法律の中身次第で前提が変わる

GENIUS法は施行されますが、銀行規制当局の細かなルールや、暗号資産市場全体のルールを定めるCLARITY法案の行方は、まだ不透明です。CLARITY法案は2026年9月15日の上院採決で前進せず、2027年に新しい議会で議論し直す可能性があります。法律の中身によっては、ステーブルコインの利回りや暗号資産取引所の事業内容が制約を受けることもあります。

金利リスク:利上げにも利下げにも弱点がある

FRBは2026年に利上げに転じており、市場では2027年にかけて追加の利上げを織り込む動きもあります。金利が上がると株式全体の評価は下がりやすく、逆に金利が下がるとIBKRやCRCLの金利収入が減ります。どちらに動いても影響を受ける銘柄があることを理解しておきましょう。

暗号資産価格リスク

コインベースやロビンフッドの暗号資産関連収入、ブラックロックのデジタル資産運用残高は、ビットコインなどの価格に大きく左右されます。2026年は暗号資産の取引高が前年より減っている点にも注意が必要です。

競争・技術リスク

トークン化や24時間取引は、新しい取引所やフィンテック企業も参入を狙う分野です。既存の大手企業が必ずしも勝ち残るとは限りません。また、ブロックチェーンのシステム障害やハッキングといった技術的なリスクもあります。

注意:テーマ株に集中しすぎない
本記事の10社はすべて「金融セクター」に関連します。テーマへの期待が高まると関連銘柄がまとめて上がる一方、逆風のときはまとめて下がることがあります。全世界株やS&P500連動の投資信託など、幅広い資産を土台にしたうえで、テーマ株は一部にとどめることが大切です。

よくある質問(FAQ)

Q. 2027年に米国株でトレンドになりそうなテーマは何ですか?

A. AIや電力インフラに加えて、本記事では「金融インフラ×デジタル資産」に注目しています。2027年1月18日のGENIUS法施行、株式のトークン化、取引時間の拡大という3つの制度変更が重なるため、決済網・取引所・資産運用会社などが恩恵を受ける可能性があります。

Q. ステーブルコイン関連の米国株で、比較的値動きが穏やかな銘柄はどれですか?

A. 一般に、ビザやマスターカード、CMEグループなど、既存事業で安定した手数料収入をもつ大型株は、コインベースやサークルのような暗号資産専業の企業に比べて値動きが穏やかな傾向があります。ただし、どの銘柄も元本保証はありません。

Q. 新NISAの成長投資枠で今回の10社は買えますか?

A. いずれもNYSEまたはNASDAQ上場の米国個別株のため、成長投資枠の対象となるのが一般的です。ただし証券会社によって取扱銘柄が異なるため、購入前に各社の取扱いを確認してください。

Q. トークン化株式とは何ですか?普通の株とどう違うのですか?

A. 株式の権利をブロックチェーン上のトークンとして表現したものです。SECが承認したナスダックの仕組みでは、通常の株式と同じ権利をもち、同じ注文板で取引されます。将来的には24時間の受け渡しや担保としての活用が期待されていますが、日本の個人投資家が直接売買できる環境はまだ限られています。

Q. 金利が上がるとこれらの銘柄にはどんな影響がありますか?

A. 顧客資産や準備資産の金利収入が大きいインタラクティブ・ブローカーズやサークルにはプラスに働きやすい一方、株式市場全体の評価が下がることで、ブラックロックやロビンフッドなどには逆風になる場合があります。

Q. ビットコインが下落したら全銘柄が下がりますか?

A. コインベースやサークル、ロビンフッドは影響を受けやすい一方、ビザやマスターカード、ナスダックなどは収益に占める暗号資産の割合が小さいため、影響は限定的と考えられます。ただし、市場全体の心理が悪化すると、テーマ全体がまとめて売られることもあります。

まとめ:2027年は「お金の通り道」に投資する視点を

2027年の米国株を考えるとき、AIや電力のように「何が作られるか」だけでなく、「お金がどう動くか」という視点も大切です。GENIUS法の施行、トークン化の制度整備、取引時間の拡大は、いずれも金融インフラを担う企業のビジネスを大きく変える可能性があります。

今回紹介した10社は、安定した手数料収入をもつ決済網・取引所(V、MA、CME、ICE、NDAQ)、市場拡大の恩恵を受ける運用・証券プラットフォーム(BLK、IBKR、HOOD)、規制の追い風を最も直接受ける暗号資産関連(COIN、CRCL)の3層に分かれます。自分のリスク許容度に合わせて層ごとの比率を調整し、決算や規制の動きを定期的に確認しながら、長期的な視点で向き合っていきましょう。

この記事のポイント
2027年1月18日のGENIUS法施行で、ステーブルコインが制度の中に組み込まれるトークン化と24時間取引の制度整備が進み、取引所・決済網の役割が変わる10社を「コア・成長・高ボラ」の3層で組み合わせ、リスクを分散する新NISA成長投資枠で購入可能。為替リスクと配当課税の扱いに注意。

免責事項:本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。記載した株価・業績などの数値は記載時点の公開情報に基づくもので、将来の成果を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

【2027年】必ず保有したい米国株10銘柄|AI・電力・ディフェンシブの3層で組む長期ポートフォリオ