はじめに
インフレや景気変動が続くなか、「資産を守る手段」として注目されているのが 金(ゴールド)への投資です。株式や不動産とは異なる値動きを持つため、リスク分散の観点からも投資初心者に人気があります。
本記事では、金投資の基礎知識から始め方まで、初心者でも分かりやすく解説します。
金投資とは?
金投資とは、金(ゴールド)を投資対象として購入・保有する資産運用方法です。金は古代から価値を持ち続けてきた「実物資産」であり、通貨や株式とは違い、発行主体がないため信用リスクが低いのが特徴です。NISAの成長投資枠でも購入できるため、長期投資に向いています。
金投資が注目される理由
1. インフレへの耐性
物価が上昇しても、金は実物資産として価値を維持しやすい傾向があります。
2. 有事の資産逃避先
戦争や金融危機の際、投資家が資金を金に移す「安全資産」としての側面があります。
3. 長期的な価値保存
通貨の価値が下落しても、金は国際的に取引されるため、資産価値を保ちやすいのが特徴です。
過去約50年間の金チャート

日本国内でも物価高やインフレリスク、海外においても同様にインフレリスクが高まっているため、2005年辺りから上昇し、2025年には過去最高値で取引されています。
金投資の主な方法
1. 現物購入(地金・コイン・アクセサリー)
- 金地金(インゴット)や金貨を購入して保有
- メリット:実物資産として安心感がある
- デメリット:インゴットなどの現物は保管コストや盗難リスクが高い
2. 金積立(少額から始められる)
- 毎月1,000円〜など少額でコツコツ購入できる
- 自動積立のため初心者に人気
- 例:三菱マテリアル、田中貴金属、ネット証券などが提供
3. 金ETF・投資信託
- 株式市場で金価格に連動したETFを売買
- 簡単に取引でき、流動性が高い
4. 金先物取引
- 将来の金価格を予想して取引
- ハイリスク・ハイリターンで初心者には不向き
金投資の始め方(初心者向けステップ)
ステップ1:投資目的を明確にする
「資産保全」「長期積立」「短期売買」など目的を決めましょう。
ステップ2:投資方法を選ぶ
少額からなら金積立、売買のしやすさならETF、実物保有なら地金購入が向いています。
ステップ3:口座開設
- 金積立 → 証券会社や貴金属会社
- ETF → 証券会社
- 地金購入 → 金専門店や銀行
ステップ4:分散投資を意識
日本株や米国株、暗号資産など資産の一部を金に振り分け、リスクヘッジとして活用するのが基本になります。
金投資のメリット・デメリット
メリット
- インフレに強い
- 世界中で価値が認められている
- 分散投資に最適
デメリット
- 金利や配当が発生しない
- 保管コストがかかる場合がある
- 短期的には価格変動が大きい
金投資に向いている人
- 長期的に資産を守りたい人
- インフレや為替リスクに備えたい人
- 株や不動産以外に分散投資したい人
金投資と他の投資の違い
投資対象 | リターン | リスク | 特徴 |
金投資 | 値上がり益 | 価格変動 | 安全資産としての役割 |
株式 | 配当+値上がり益 | 景気に左右されやすい | 成長資産 |
債券 | 利息収入 | 金利変動リスク | 安定資産 |
不動産 | 家賃収入+値上がり益 | 流動性が低い | 実物資産 |
よくある質問(FAQ)
Q1. 金投資は少額から始められますか?
A. 金積立なら毎月1,000円程度から可能です。初心者には積立がおすすめです。
Q2. 金投資は安全ですか?
A. 長期的には価値を保ちやすいですが、短期的には価格変動があるため注意が必要です。
Q3. 金とプラチナ投資の違いは?
A. 金は安全資産としての側面が強く、プラチナは産業需要による影響が大きいです。
Q4. 金を買うタイミングはいつがいいですか?
A. 短期的な値動きを読むのは難しいため、長期積立で平均取得価格を下げる「ドルコスト平均法」が有効です。
ドルコスト平均法とは?
ドルコスト平均法(Dollar Cost Averaging, DCA)とは、投資の基本的な手法のひとつで、価格変動のある資産(株式・投資信託・金・仮想通貨など)を、一定の金額で定期的に購入し続ける方法です。毎月や毎週と投資のタイミングを分散することでリスクを抑え、着実に積立していく方法です。
まとめ
金投資は、インフレや金融リスクに強い実物資産として人気を集めています。少額から始められる「金積立」や、取引がしやすい「金ETF」など、初心者でも取り組みやすい方法が揃っています。
投資初心者はまず少額から始め、NISAを活用した分散投資の一部として金を組み入れるのがおすすめです。