【2026年下半期トレンド】ペロブスカイト太陽電池テーマの日本株|伊勢化学など注目8銘柄を徹底解説

【2026年下半期】ペロブスカイト太陽電池テーマの日本株|伊勢化学など注目8銘柄を徹底解説

「薄く・軽く・曲げられる」という特性で次世代太陽電池の本命とされるペロブスカイト太陽電池。政府が2030年までの社会実装を掲げる“国策テーマ”でもあり、株式市場では関連銘柄に継続的な物色が入っています。

本記事では、ヨウ素で国内首位の伊勢化学工業を中心に、フィルム型で先行する積水化学工業、タンデム型で高効率を実現するカネカなど、注目の日本株8銘柄を最新データとともに解説します。

本記事の要点
・ペロブスカイトは2030年普及を目指す国策テーマ。経産省は次世代太陽電池の開発支援を拡充。
・主原料「ヨウ素」は日本が世界2位の生産国。伊勢化学・K&Oエナジーが供給網の中核。
・銘柄は「材料」「セル・モジュール」「施工・EPC」の3層に分けて見ると整理しやすい。

ペロブスカイト太陽電池とは?なぜ「国策」なのか

ペロブスカイトとは特定の結晶構造の総称で、これを発電層に用いた太陽電池がペロブスカイト太陽電池です。産業技術総合研究所によれば、塗布・印刷技術で量産できるため低コスト化が期待でき、ゆがみに強く軽量化も可能とされています。シリコン型では設置が難しかったビルの壁面や曲面、耐荷重の低い屋根などにも貼り付けられる点が最大の強みです。

政府が2030年普及を掲げる国策テーマ

政府はペロブスカイト型太陽電池を2030年までに普及させる方針(※1)を打ち出しており、その商用化は実質的に国策と位置づけられています。経済産業省は次世代太陽電池の開発支援対象を拡大し、ペロブスカイトと既存パネルを重ねて発電効率を高める「タンデム型」も支援に加える方針が報じられました。補助金・政策支援が関連株の中期的な追い風になっています。

※1 出典:経済産業省 ペロブスカイト太陽電池の導入促進について

DATA 「薄く・軽く・曲がる」が変える設置領域
・フィルム型は重量がシリコン型の数分の一。耐荷重の低い屋根や工場・倉庫の壁面に展開可能。
・曲面追従性が高く、ビル外壁・テント・EV・IoT機器など新市場の開拓が期待される。
・主原料ヨウ素は日本が世界生産シェア約2割を占め、資源面で国産化に優位性がある。

ペロブスカイト関連株が注目される3つの理由

① 国策・補助金による需要の下支え

2030年の社会実装目標に向け、研究開発から量産設備、導入補助まで政策パッケージが厚みを増しています。国策テーマは需要の予見性が高く、関連銘柄の業績見通しを立てやすいことから、中長期資金が入りやすい傾向があります。

② 「耐久素材」で中国に対抗する日本の勝ち筋

ペロブスカイトは量産技術で中国勢の追い上げが速い一方、日本企業は封止材・バリアフィルムなど耐久性を左右する素材で強みを持つとされます。印刷・コーティングで培った日本の素材技術が差別化要因となり、「耐久素材で中国に勝つ」という構図が関連株の物色テーマになっています。

③ 量産・実用化フェーズ入り

積水化学工業はパナソニックホールディングスなどと連携し、2025〜2026年にかけてフィルム型の事業化・製品投入を進める計画です。カネカはペロブスカイト/結晶シリコンのタンデム型で世界トップ級の変換効率を記録し、2028年度の実用化を目指しています。研究段階から「事業化」へ移行しつつある点が、テーマの持続性を支えています。

注目銘柄 一覧(バリューチェーン別マップ)

ペロブスカイト関連株は、役割によって「材料」「セル・モジュール」「施工・EPC」の3層に整理できます。まずは全体像を一覧で確認しましょう。

コード銘柄名市場主な立ち位置関連の核
4204積水化学工業東Pセル・モジュールフィルム型で先行
4107伊勢化学工業東S材料(ヨウ素)国内首位・材料合意
4118カネカ東Pセル(タンデム)高効率32.5%
1663K&Oエナジーグループ東P材料(ヨウ素)ヨウ素併産
4021日産化学東P材料(機能性化学)電子・機能材
4004レゾナック東P材料(化学)機能性材料
1963日揮ホールディングス東P施工・EPCプラント・実証
4237フジプレアム東Sモジュール太陽電池積層加工

※市場略称 東P=東証プライム/東S=東証スタンダード。立ち位置は各社事業の代表的な関連性に基づく編集部整理。

注目8銘柄を徹底解説

ここからは主要銘柄を個別に解説します。株価・指標は2026年6月中旬時点の参考値です(最新値は各証券会社・Yahoo!ファイナンス等でご確認ください)。

※株価はYahoo!ファイナンスに遷移します

積水化学工業 (4204) 東証プライム・化学

株価(参考)2,490.5円予想配当利回り約3.3%
予想PER約13倍前後PBR約1.1倍
予想1株配当81円(27/3期)時価総額1兆円超

住宅・高機能プラスチックを主力とする総合化学大手で、ペロブスカイト太陽電池の国内本命と目される存在です。耐久性の高い大面積フィルム型の技術でリードし、パナソニックHDなどと連携しながら2026年の製品投入・事業化を進める計画です。営農型発電(ソーラーシェアリング)など用途実証も拡大しています。2026年3月期は売上高1兆3,092億円と過去最高を更新。財務余力を背景に成長分野へ戦略投資を継続しています。

注目ポイント
・フィルム型ペロブスカイトの事業化スケジュールが最も具体的で、テーマの中核銘柄。
・本業(住宅・化学)が安定収益源で、配当利回りも相対的に高くディフェンシブ性を併せ持つ。

伊勢化学工業 (4107) 東証スタンダード・化学

株価(参考)約3,755円予想配当利回り約1.0%
予想PER約38倍PBR約5倍
時価総額約2,100億円予想ROE約13%
特色ヨウ素 国内首位事業ヨウ素・天然ガス/金属化合物

ヨウ素生産で国内首位、世界でも大手の一角を占める素材メーカーです。ヨウ素はペロブスカイト発電層の必須元素であり、同社はテーマの「最上流」を担う材料株として位置づけられます。2026年2月には「ペロブスカイト太陽電池材料に関する基本合意書」の締結を開示し、材料供給での関与が一段と明確になりました。併産する天然ガスに加え、2次電池向けのニッケル・コバルト系金属化合物も手がけ、データセンター需要で拡大するMLCC材料の側面でも注目されています。2025年10月に株式分割を実施しています。

POINT 伊勢化学が「材料の本命」とされる理由
・ペロブスカイトの主原料ヨウ素で国内シェア首位。テーマの最上流に位置する。
・2026年2月にペロブスカイト材料の基本合意を開示し、商用化への関与が明確化。
・金属化合物事業はMLCC・2次電池向けでも需要拡大が見込まれる。

RISK 留意点
・予想PER約38倍・PBR約5倍とバリュエーションは高め。テーマ人気で値動きが荒くなりやすい。
・設備投資に伴う減価償却費の増加で、足元は増収でも利益面が伸び悩む局面がある。

カネカ (4118) 東証プライム・化学

株価(参考)4,438円年初来高値4,520円
年初来安値3,146円予想1株配当210円(+50円)
経常利益予想320億円(27/3期)前期比+10.8%・6期連続増収

化成品から先端医療・栄養まで幅広く展開する化学大手で、太陽電池では結晶シリコン技術に強みを持ちます。ペロブスカイトと結晶シリコンを積層した「タンデム型」で変換効率32.5%という高水準を記録し、2028年度の実用化を目標に開発を進めています。発電効率を1.5倍程度に高めるタンデム型は経産省の支援対象拡大の報道でも材料視され、関連株として物色されました。2026年3月期は売上高が過去最高、27年3月期は増収増益・50円増配を計画しています。

注目ポイント
・タンデム型で世界トップ級の変換効率。高効率セルの実用化候補として中期テーマ性が高い。
・本業の収益拡大と連続増配が進み、テーマ株でありながら還元姿勢も評価される。

K&Oエナジーグループ (1663) 東証プライム・鉱業

営業利益105.9億円(+20.1%)当期純利益83.8億円(+35.9%)
自己資本比率82.4%予想1株配当60円(26年度)
時価総額約1,230億円特色天然ガス+ヨウ素併産

千葉県を地盤に国内有数の天然ガス埋蔵量を持つエネルギー会社で、天然ガス採取に伴うかん水からヨウ素を併産しています。伊勢化学と並ぶヨウ素供給の中核で、ペロブスカイト需要拡大の恩恵が期待される材料株です。2025年12月期はヨウ素価格上昇を背景に営業利益が前期比20.1%増、純利益は35.9%増と大幅増益。自己資本比率82.4%と財務は強固で、増配トレンドも継続しています。

財務ハイライト(2025年12月期)
・営業利益105.9億円(前期比+20.1%)、経常利益117.0億円(+19.0%)と好調。
・配当は2025年度年間54円→2026年度予定60円へ増配方針。

日産化学 (4021) 東証プライム・化学

株価(参考)上場来高値圏上場来高値7,917円(6/17)
売上高2,795億円(+11.2%)営業利益635億円(+11.8%)
自己資本比率71.9%時価総額約1.06兆円

農薬・電子材料を主体に、ディスプレイ材料や半導体材料で高シェアを持つ機能性化学のトップ企業です。ペロブスカイトでは発電層や周辺部材に用いられる機能性材料の供給で関連が意識されます。2026年3月期は半導体材料が牽引し売上高・営業利益とも過去最高を更新、2026年6月には上場来高値を更新しました。高収益・高ROEの優良株として、テーマ物色と業績の両面で買われています。

TIP 注目ポイント
・半導体・機能性材料で高シェア。ペロブスカイト関連は成長ドライバーの一つとして位置づけ。
・売上・利益とも過去最高で株価は上場来高値圏。業績の裏付けが厚い大型材料株。

そのほかの関連銘柄

上記のほか、機能性材料を手がけるレゾナック(4004)、プラント建設・実証で関わる日揮ホールディングス(1963)、太陽電池の積層加工を手がけるフジプレアム(4237)、大型物件の施工面で関連が意識される大林組(1802)なども関連株として挙げられます。テーマ全体では東証3市場で40銘柄超が「ペロブスカイト太陽電池」関連としてリストアップされています。

コード銘柄名市場株価(円)関連の観点
4004レゾナック東P10,755機能性化学材料
1963日揮ホールディングス東P2,195プラント・実証
4237フジプレアム東S396太陽電池積層加工
1802大林組東P3,900施工・建材展開
4221大倉工業東P4,760フィルム・機能材料

※株価、テーマ一覧(2026年3月27日時点)を基にした参考値。最新値は変動します。

バリューチェーン別の見方(材料・セル・施工)

ペロブスカイト関連株は役割が異なるため、同じテーマでも値動きや業績ドライバーは大きく違います。3層に分けて特徴を押さえておくと、ニュースが出たときにどの銘柄が反応しやすいかを判断しやすくなります。

階層役割代表銘柄株価のドライバー
材料(上流)ヨウ素・機能性化学・封止材伊勢化学/K&Oエナジー/日産化学ヨウ素市況・量産化観測
セル・モジュール発電セル・パネルの開発製造積水化学/カネカ/フジプレアム変換効率・事業化の進捗
施工・EPC(下流)設置・実証・プラント日揮HD/大林組導入案件・補助金採択

POINT テーマ投資の着眼点
・「材料」は市況連動色が強く、ヨウ素価格や量産化ニュースに反応しやすい。
・「セル」は変換効率の記録更新や製品投入で評価が大きく動く。
・「施工」は補助金採択・導入実績が具体化すると物色が向かいやすい。

投資する際の注意点

国策テーマである一方、ペロブスカイト関連株への投資には固有のリスクもあります。事前に把握しておきましょう。

RISK 押さえておきたいリスク
・テーマ人気で短期需給が過熱しやすく、好材料出尽くしや高値づかみに注意。
・量産・耐久性・コストの課題が残り、実用化スケジュールは前後する可能性がある。
・中国勢のコスト競争力が強く、価格下落が日本勢の収益を圧迫するシナリオもある。
・関連度合いは銘柄により濃淡があり、本業比率が小さい銘柄は業績寄与が限定的。

テーマ株は「材料が出ると急騰し、出尽くしで急落する」値動きになりがちです。個別の事業化進捗・収益貢献度を見極め、本業の安定性や財務、バリュエーションも併せて確認することが重要です。

よくある質問(FAQ)

Q1. ペロブスカイト太陽電池の日本株で代表的な銘柄は?
A. フィルム型で先行する積水化学工業(4204)、タンデム型で高効率のカネカ(4118)、主原料ヨウ素で国内首位の伊勢化学工業(4107)が代表格です。材料面ではK&Oエナジーグループ(1663)や日産化学(4021)も関連株として注目されています。

Q2. 伊勢化学はなぜペロブスカイト関連なのですか?
A. ペロブスカイト太陽電池の発電層には主原料としてヨウ素が使われます。伊勢化学工業はヨウ素生産で国内首位・世界大手であり、テーマの最上流(材料供給)を担う存在です。2026年2月にはペロブスカイト太陽電池材料に関する基本合意書の締結も開示しています。

Q3. なぜ「国策」と呼ばれるのですか?
A. 政府が2030年までのペロブスカイト型太陽電池の普及方針を掲げ、研究開発・量産設備・導入補助まで政策支援が拡充されているためです。経済産業省は次世代太陽電池の開発支援対象を広げ、タンデム型も加える方針が報じられています。

Q4. ヨウ素関連株が注目されるのはなぜですか?
A. ヨウ素はペロブスカイト発電層の必須元素で、日本は世界生産シェア約2割を占める有数の生産国です。需要拡大が見込まれるなか、国内で安定供給できる伊勢化学工業やK&Oエナジーグループが恩恵を受けると期待されています。

Q5. 投資する際に注意すべき点は?
A. テーマ人気で値動きが荒くなりやすく、短期的な過熱や高値づかみに注意が必要です。実用化スケジュールの遅延、中国勢との価格競争、銘柄ごとの関連度合い(本業比率)の差なども考慮し、業績・財務・バリュエーションを併せて確認しましょう。

まとめ

ペロブスカイト太陽電池は2030年普及を目指す国策テーマであり、関連する日本株は「材料」「セル・モジュール」「施工」の3層で広がっています。材料の最上流ではヨウ素首位の伊勢化学工業が中核を担い、セルでは積水化学工業のフィルム型、カネカのタンデム型が事業化を牽引します。K&Oエナジーや日産化学など、財務・業績の裏付けが厚い材料株も選択肢になります。

POINT この記事の結論
・テーマの中核は「材料(ヨウ素)=伊勢化学・K&Oエナジー」「セル=積水化学・カネカ」。
・国策・補助金が中期の追い風。実用化フェーズ入りでテーマの持続性が高まっている。
・値動きの荒さに留意し、事業化進捗・収益貢献・バリュエーションを併せて確認する。

免責事項:本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。投資判断は自己責任で行ってください。株式投資にはリスクが伴い、元本割れの可能性があります。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断で行ってください。

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